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コトちゃんはひきこもり

本当の自分に出会う物語「コトちゃんはひきこもり」(20)

【処刑された人の歌】   「お兄ちゃんの好きな、ジョンレノンもそうよね。ジョンレノンは、なぜ、殺されなきゃならなかったの?」 「確かに…。もしジョンが今もこの世に生きてくれていたら、世界はもっと平和になっていただろうに。本当に残念な人を世界は失ってしまった。」と僕は想像し、ジョンの死を悼んだ。 コトハは静かに続ける。 「そういう意味では、ユリさんにも、共通点があるの。」 「ユリちゃんにも […]

本当の自分に出会う物語「コトちゃんはひきこもり」(19)

【殺される?】     僕とコトハの間にどれくらいの沈黙があっただろうか?   ひさかたぶりの兄妹げんかは、「だから! お兄ちゃんとユリさんが一つじゃないなんて、おかしいのよ!」 というコトハの一言で、あっけなく幕を閉じた。   僕とコトハが沈黙している間、セミたちが兄妹げんかの熱を一生懸命冷ましてくれた。 コトハは熱が冷めたことを確認し、静かに語り始めた。 […]

本当の自分に出会う物語「コトちゃんはひきこもり」(18)

【高校卒業】       僕とユリとは公立高校を卒業した。   僕は都内の4年制大学に入学し、軽音サークルに入った。   ユリは保育士と幼稚園教諭の資格を取るため、都内の短大に入った。   僕はユリを大学の軽音サークルに誘い、今回は「僕の彼女」とユリを紹介して、サークルの部長からユリの入部許可をもらった。軽音サークルのメンバーは、僕とユリ […]

本当の自分に出会う物語「コトちゃんはひきこもり」(9)

【本当にそう?】     「オレはコトちゃんの体を動かせない。だから、コトちゃんとオレは一つではなく二つだろ?」と自信を持って言った僕に、それ以上の自信を持ってコトハが応えた。 「本当にそう? さっき、お兄ちゃん、アイスコーヒー飲んだよね?そのアイスコーヒーって、誰が作ったんだっけ?」 「はあ?コーヒーを作ったのはコトちゃんだよ。あっ、お礼言い忘れてたな。ごめん、ごめん。ありが […]

本当の自分に出会う物語「コトちゃんはひきこもり」(8)

  【ぜーんぶ一つに繋がっている。】   コトハは、『一つ』という言葉をキーワードにしたいのかもしれない…。 僕は、頭を柔らかくして、そんなことを考え始めていた。 すると、コトハが、「それじゃあ、もう一つ質問!頭を柔らか~くして、考えてよ~。」と、僕の心を見透かすかのごとく、話を続けた。 「地球は、いくつあるでしょうか?」 「そりゃあ、一つだろ。」と僕は言いかけて、止めた。 コ […]