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無から有

続・幸せの方程式(29) 【 インディア ① フツウ 】

幸せの方程式(29) 【 インディア ① フツウ 】     ジトジトと大量の湿気を含んだ梅雨の雨が、久しぶりにようやく晴れた、6月25日、日曜日の朝。   一週間ぶりに麻里奈と一緒にブレックファーストを食べられることにウキウキし、気持ちよく目覚めた僕は「今日は久しぶりに晴れたな!夏が近いから、今日は暑くなりそうだ!」とルンルン気分で独り言をつぶやき、7部丈のブルージ […]

続・幸せの方程式(28) 【 +-ゼロ=無=光 ⑧ グルグルソフト 】

幸せの方程式(28) 【 +-ゼロ=無=光 ⑧ グルグルソフト 】   「お父さん、あそこ、行こう!」と言った少女の指の先にはコンビニエンスストアがあった。 僕は不自然にならないよう軽い笑みを浮かべ、オクラホマミキサーの音楽に合わせてフォークダンスを踊る時のように、女の子の右手を優しくそっと握り、女の子のペースに合わせてゆっくりと、コンビニエンスストアへ向かった。 女の子は、コンビニエン […]

続・幸せの方程式(27) 【 +-ゼロ=無=光 ⑦ 流れ星】  

続・幸せの方程式(27) 【 +-ゼロ=無=光 ⑦ 流れ星】   赤色に小さく光る流れ星が一つ、僕の右後方から前方に向かって、キラッと流れた。 普通の流れ星であれば、そのまま僕の視界から消え去って行くのだが、今回の流れ星は徐々にスピードを落とし僕の目の前3メートルくらいの空中で静止し、線香花火の一番下に垂れ下がっている赤い火の球のように、チリチリチリチリと小さな火花を散らしている。 その […]

続・幸せの方程式(26) 【 +-ゼロ=無=光 ⑥ 再会】  

続・幸せの方程式(26) 【 +-ゼロ=無=光 ⑥ 再会】   僕は公園の白いベンチに腰掛けている。 周りには、二階建ての戸建て住宅が端正に並んでいるが、ひと気はなく静かだ。 また、アンミツが高速で近寄ってきた。かと思うと、いきなり僕に向かって怒りを露わにした。 「ねえ、あんた! さっき、ここで本読んでたでしょ! 何であなたはそんなことやったのよ。 私はあなたを絶対に許さないからね。 あ […]

続・幸せの方程式(25) 【+-ゼロ=無=光 ⑤ 火花と炎】  

続・幸せの方程式(25) 【+-ゼロ=無=光 ⑤ 火花と炎】   「では最後に、ワクワクとシンクロニシティの実験をしよう。」と言って、シャンカールが小さな二つの石を僕の目の前に置いた。 「火打ち石だ。叩いてみなさい。」 僕は「カチッ、カチッ。」と石と石とを叩いてみた。 「ほら、火花が散っただろ?」 「えっ?分からないですよ。」 「ユウは無になっていないから火花が見えない。けれど、無になれ […]