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本当の自分に出会う物語「コトちゃんはひきこもり」(11)

【罪悪感があるからよ。】 しばらくしてから、また、コトハはゆっくり「基礎知識の講義」を始めた。 「実際、お兄ちゃんの体の中でも、その当たり前で、普通のこと、つまり、生かし合いと助け合いが、毎日、行われているの。 例えばお兄ちゃんが御飯を食べると、お兄ちゃんの頭や手や足が、胃袋に献血するの。 お兄ちゃん、知ってた?お兄ちゃんの頭や手や足が、『胃袋さん、消化、ご苦労様!これっぽっちしかないけど…。ボク […]

本当の自分に出会う物語「コトちゃんはひきこもり」(10)

【あたり前で普通のこと】     ミーン、ミー、ミー、ミー…。 セミの声が、やけにうるさい。 僕の頭は混乱している。 「僕が?コトハを?『思い通りに』?動かしている?どういうこと?」 茫然としている僕に、コトハは穏やかな声でゆっくり続けた。 「逆に、コトちゃんがお兄ちゃんの体を動かしたこともあったよね?」 「えっ?そんなことあった?オレが、コトちゃんに動かされたってこと?」 「 […]

本当の自分に出会う物語 【 コトちゃんはひきこもり 】(5)

【もう一つの質問】     落ち込んでいる僕を励ましたいのか、それとも、僕の気持ちを全く察していないのかは分からないが、コトハは明るい声を出して言った。 「それじゃあ、お兄ちゃん、もう一つ質問ね! 頭を柔らか~くして。想像してみてね~。」 コトハは、また、ニヤニヤしている。   「じゃあ、行くよ~。 お兄ちゃんは、今まで、何年生きて来たのでしょうか?」 「何年って、2 […]