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続・幸せの方程式(10) 【 生=死③ おまえは、もう。 】

続・幸せの方程式(10)

【 生=死③ おまえは、もう。 】

 

 

「ユウの国では、ムカデのような眉毛(まゆげ)を生やし、ウマのような縦長の顔をした筋肉ムキムキの男が、『もう捨てればいいのに…』と思うくらいボロボロに破れた服を着て、『おまえはもう死んでいる』と言うのが、流行っただろう?」

シャンカールは、ニヤリと笑い、千手観音像のようにデタラメに手を振り回しながら、「アチョチョチョチョチョチョー!」と高音で叫んだ。

僕は、目の前で、何が起きているのか理解できなかった。

が、「ここは笑うところ。」のような気がしたので、顔を引きつらせながらも、無理やりに口角を引き上げ、笑顔を作った。

と同時に、呆気にとられ身動きが取れなくなっている僕の体は少し冷たくなり、インドのうだるような暑さから、一瞬、開放された。

シャンカールは、再び、静かに話し始めたが、さっきまでの無表情に比べると豊かさが表情に戻っている。

「まさに、ユウもすでに、死んでいるのだよ。

もちろん、ミーもそうだ。

生きているということは、すでに死んでいるということ。

つまり、ミーも、ユウも、すでに半分は死んでいる。

それが、すなわち、生きているということだ。

ユウは、『死のない、生はない』ことは分かっているはずだ。

しかし、『生が終わってから、死が始まる』のではない。

生が、すなわち、死であり、

生きているということ、イコール、死んでいるということなのだよ。

つまり、生と死は表裏一体ということだ。」

シャンカールは、口を閉ざした。

50秒後、ため息をつくようにフーッと大きく息を吐いたシャンカールは、少し優しげな表情、温かみのある低い声で、僕に語り掛けた。

「ユウは、潜在意識という言葉を聞いたことがあるね。」

「はい。」

僕は、今回のシャンカールとの対話で初めて、首を縦に振った。

「では、潜在意識を感じたことはあるかね?」

 

「いいえ。」

僕は、同じく初めて、首を横に振った。

「それだよ!

ユウは潜在意識を感じたことが無い。

だから、『自分はもう死んでいる。』とも思えなければ、

『自分で作った夢を自分で見ている』という事実も、

『自分で作った現実を自分で見ている』という真実も、

理解できないのだよ。」

 

 

 

つづく

 

 

 


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