続・幸せの方程式(10) 【 生=死③ おまえは、もう。 】
続・幸せの方程式(10) 【 生=死③ おまえは、もう。 】 「ユウの国では、ムカデのような眉毛(まゆげ)を生やし、ウマのような縦長の顔をした筋肉ムキムキの男が、『もう捨てればいいのに…』と思うくらいボロボロに破れた服を着て、『おまえはもう死んでいる』と言うのが、流行っただろう?」 シャンカールは、ニヤリと笑い、千手観音像のようにデタラメに手を振り回しながら、「アチョチ […]
続・幸せの方程式(10) 【 生=死③ おまえは、もう。 】 「ユウの国では、ムカデのような眉毛(まゆげ)を生やし、ウマのような縦長の顔をした筋肉ムキムキの男が、『もう捨てればいいのに…』と思うくらいボロボロに破れた服を着て、『おまえはもう死んでいる』と言うのが、流行っただろう?」 シャンカールは、ニヤリと笑い、千手観音像のようにデタラメに手を振り回しながら、「アチョチ […]
幸せの方程式(9) 【 生=死② 夜の夢 】 「ユウは、夜、寝ている時に、夢を見たことがあるだろ?」 「その夢は、誰が作ったのかね?」 「ミーが作った夢を、ユウが見たわけではないことくらいは分かるね。」 「では、ユウのマミーが作った夢を、ユウが見たのかね?」 「それとも、ユウのパピーが作った夢を、ユウが見たというのかね?」 「ユウは、なぜ、こんな基本的な質問に、すぐに自信を持って、答 […]
続・幸せの方程式(8) 【 生=死① 光より速く 】 インドは暑い。 うだるような暑さを全く感じていないかのように、シャンカールは涼しげな表情を変えることなく、僕に語りかける。 警察の尋問所でもないというのに、この20畳ほどの広い部屋には、小学生用の木製学習机が一つと、小さな木製の椅子二つだけが置かれている。 僕とシャンカールは、学習机を挟んで、お互いに向かい合い、硬く […]
続・幸せの方程式(7) 【 有=無 ⑤ パラシュート 】 富士山の斜面に沿って、上へ上へと浮上した僕のカラダは、押しつぶされそうになった。 その時、同時に、高度上昇もストップした。 黒のシルクハットを頭にかぶり、黒のステッキを右手で軽く持っているチャーリー=チャップリンのような手品師が、映画のスクリーンに映し出されているかと思ったら、突然、そのスクリーンを切り裂き、生身 […]
続・幸せの方程式(6) 【 有=無 ④ 押し潰されそう 】 僕は、偏西風らしき強風帯に押し流され時速800kmで飛び出した。が、ジャンボジェット機が地上へ着陸する前に少しずつ速度と高度を下げるように、僕の体は、時速を800kmから300kmへ、高度を1万mから200mへと変化させていた。 その時、僕の目の前に現れたのは、ブルーハワイシロップがタップリかけられたカキ氷に、白い練乳をトッ […]