本当の自分に出会う物語【 コトちゃんはひきこもり 】 (6)
【今からは空間のお話】 コトハに、「僕は、不幸を選択して生きている。僕は、永遠に生き続けるし、10万年前から生き続けてきた。」と言われた。 コトハの言ってることが、わからない訳ではない。 確かに、反論できなかった。でも、一般的な考えかたとは、かけ離れている。 頭では、分かる気もするが、心では、とうてい理解できない。 そんなことを考えていると、ふと、「さすがに疲れたから、 […]
【今からは空間のお話】 コトハに、「僕は、不幸を選択して生きている。僕は、永遠に生き続けるし、10万年前から生き続けてきた。」と言われた。 コトハの言ってることが、わからない訳ではない。 確かに、反論できなかった。でも、一般的な考えかたとは、かけ離れている。 頭では、分かる気もするが、心では、とうてい理解できない。 そんなことを考えていると、ふと、「さすがに疲れたから、 […]
【頭と心との間にギャップを抱えるということは】 コトハは、明るい声で言った。 「そうなの。宇宙は昔、ヒマワリの種より小さかったの。『宇宙の始まりはビッグバン』って言う話は、お兄ちゃんも知っているわよね。で、そのビッグバンの大きさって、どれくらいか知ってる?お兄ちゃん。」 そう言えば、僕も新聞か何かで、『ビッグバンは、とても小さかった』と言う記事を見た記憶があった。 なの […]
【声がちがう】 「僕に、愛があった…。僕に、価値があった…。 コトハの言う通りなのかもしれない…。」 僕の体からは、全てのチカラが抜けていた。 「そろそろ準備してロトールに行かなきゃ。」 そう思いながらも、僕の頭は空っぽになっている。放心状態になっている。体もフラフラしている。 僕はノソノソと浴室に入り、コーヒーのついたティーシャツと半ズボンを脱ぎシャワーを浴びた。 しかし、立っているのも辛く、た […]
【1ヶ月前の今日】 僕は大学3年の時に軽音サークルを辞めた。 大学論文とアルバイト、就職活動が忙しくなったからだ。もちろん一番の理由は、ユリが短大を卒業し軽音サークルを辞めたからだった。 ユリは短大で、保育士と幼稚園教諭の資格をとり、自宅でピアノ教室を開いた。そして、「ピアノ教室の生徒がある程度集まるまで。」という条件で、保育園の手伝いをしたり、近所の「ロトール」という […]
【お兄ちゃんの素晴らしさに気づかせてなるものか!】 コトハは、語気を強めて言う。 「お兄ちゃんは、確かに勉強もできない。仕事もできない。お金も稼げない。 でも、お兄ちゃんには、優しさが『ある』の。お兄ちゃんには純粋さが『ある』の。」 「褒めてるんだか、けなしてるんだか、分かんないんだけど…。」と、いじけるように応える僕。 「褒めてんのよ!コトちゃんも、そんなお兄ちゃんに何度も、助けら […]