続・幸せの方程式(17) 【潜在意識 ⑦ タコ墨(すみ)】
続・幸せの方程式(17) 【潜在意識 ⑦ タコ墨(すみ)】 シャンカールは言う。 「彼はあちらの世界で優秀な内科医だった。 医大を卒業後、僅(わず)か5年で内科クリニックを開業するというスーパードクターだ。 彼はクリニックに最新鋭の医療器具を揃えた。 自分の内科医としての腕前と最新鋭の医療器具があれば、間違いなく地域一番のクリニックになることを彼は確信して […]
続・幸せの方程式(17) 【潜在意識 ⑦ タコ墨(すみ)】 シャンカールは言う。 「彼はあちらの世界で優秀な内科医だった。 医大を卒業後、僅(わず)か5年で内科クリニックを開業するというスーパードクターだ。 彼はクリニックに最新鋭の医療器具を揃えた。 自分の内科医としての腕前と最新鋭の医療器具があれば、間違いなく地域一番のクリニックになることを彼は確信して […]
続・幸せの方程式(16) 【潜在意識⑥ 死ぬまで】 その男は、すでに血だらけになっているというのに、猛禽たちは、「カー!カー!」と憎しみに満ちたような声を発しながら、容赦なく男の内臓と頭蓋骨に自らのクチバシを差し込み、男の内蔵ホルモンと脳味噌を食べ尽くそうとしている。 ついに、男のひざの角度は90度を超えた。 海水浴場の浜辺で作った砂の城が海 […]
続・幸せの方程式(15) 【 潜在意識⑤ 猛禽(もうきん) 】 「お酒を呑んで酔っ払っているのだろうか?」 その人物は、身長180cmくらい。体型からして男のようだが、足元は完全にフラついている。 よく見ると、その男が黒いのではなく、黒い物体が、その男の周りを取り囲んでいるようだ。 「猛禽(カラス)?」 約20羽の真っ黒な猛禽が、カーカーと声を張り上げながら彼を取り巻いている。 まる […]
続・幸せの方程式 (14) 【 潜在意識④ あちらの世界 】 僕が正気に戻るのを待ち、シャンカールは低く落ち着いた声で、話を再開した。もう、シャンカールの表情に、ニヤニヤはない。 「しかしねえ、彼女も孤独なのだよ。」 「えっ?」と言って、顔を持ち上げた僕はアンミツが行った先を目で追った。 もう、彼女が通り過ぎて、3分以上が経過している。それなのに、彼女はまだ公園の中をウ […]
続・幸せの方程式(13) 【 潜在意識 ③ こちらの世界】 アンミツが過ぎ去ると、僕の金縛りは解けた。 「何だったんだ?今のは?」 僕は、「フーッ」と大きく深呼吸した。 そして、薄っぺらな写真雑誌『マンデー』を急いで閉じ、汚いものを「しっしっ」と追い払うかのように、元あったベンチの右側へとをポーンと投げた。 ティー […]