続・幸せの方程式(2)【 プロローグ ② 修学旅行から35年 】
続・幸せの方程式(2) 【 プロローグ ② 修学旅行から35年 】 僕のココロは激しく叫んでいた。 全身にチカラが入り、緊張している。 その力みと緊張感はカラダの許容範囲を超え、僕の両肩と両腕、そして握り拳とを、ワナワナと小刻みに震わせていた。 「麻里奈を許すなんて、絶対にできない。 オレと同じ境遇で […]
続・幸せの方程式(2) 【 プロローグ ② 修学旅行から35年 】 僕のココロは激しく叫んでいた。 全身にチカラが入り、緊張している。 その力みと緊張感はカラダの許容範囲を超え、僕の両肩と両腕、そして握り拳とを、ワナワナと小刻みに震わせていた。 「麻里奈を許すなんて、絶対にできない。 オレと同じ境遇で […]
続・幸せの方程式(1) 【 プロローグ ① 初めての修学旅行 】 はじめに、質問です。 あなたは小学校の時、修学旅行でどこに行きましたか? もしかして、東京ディズニーランドでしょうか? ちなみに、僕の修学旅行はヒロシマでした。 平和記念公園の原爆ドーム。 原爆資料館に入り、 […]
続・幸せの方程式(4) 【 有=無 ② サバンナ 】 海から離脱し、フワリフワリと宙に浮いた僕のカラダは、海の中にいた時の1万倍、いや、一億倍くらいの速さで動くようになった。 僕は、もう、すでに、海の上にはいない。 黄土色がかった白い砂ぼこりが目の前で巻き上がっている。 ダダッダダッという大きな地響きを鳴らしながら、数十頭のシマウマの群れが、走り去っていく。 そのシマ […]
【殺される?】 僕とコトハの間にどれくらいの沈黙があっただろうか? ひさかたぶりの兄妹げんかは、「だから! お兄ちゃんとユリさんが一つじゃないなんて、おかしいのよ!」 というコトハの一言で、あっけなく幕を閉じた。 僕とコトハが沈黙している間、セミたちが兄妹げんかの熱を一生懸命冷ましてくれた。 コトハは熱が冷めたことを確認し、静かに語り始めた。 […]
【ひさかたぶりの兄妹げんか】 コトハは、声のトーンを落とし真顔で言う。 怒っているようだ。 「だから、み~んな一つなの!お兄ちゃん、自分で言ったのよ!ヒマワリの種は一つ。宇宙も一つ。お兄ちゃんも一つ。コトちゃんとお兄ちゃんも一つ。 そして、そんなの当たり前っつうか普通のことじゃんって、お兄ちゃんが言ったのよ! だから、み~んな一つっていうことが当たり前で普通なの! こん […]