本当の自分に出会う物語「コトちゃんはひきこもり」(7)
【お兄ちゃんのカラダはいくつある?】 「お兄ちゃんには、もう一つ、基礎知識を学んでもらわなきゃならないのよね~。」 アイスコーヒーを、僕に手渡しながら、コトハが言う。 「お兄ちゃんもコトちゃんも、時間軸では、永遠だということは、分かったわよね?」 僕は、「まあ、分かったことにするかな。」と、ストローでアイスコーヒーをかき回しながら、適当な返事をした。 「今度は、空間も、 […]
【お兄ちゃんのカラダはいくつある?】 「お兄ちゃんには、もう一つ、基礎知識を学んでもらわなきゃならないのよね~。」 アイスコーヒーを、僕に手渡しながら、コトハが言う。 「お兄ちゃんもコトちゃんも、時間軸では、永遠だということは、分かったわよね?」 僕は、「まあ、分かったことにするかな。」と、ストローでアイスコーヒーをかき回しながら、適当な返事をした。 「今度は、空間も、 […]
【もう一つの質問】 落ち込んでいる僕を励ましたいのか、それとも、僕の気持ちを全く察していないのかは分からないが、コトハは明るい声を出して言った。 「それじゃあ、お兄ちゃん、もう一つ質問ね! 頭を柔らか~くして。想像してみてね~。」 コトハは、また、ニヤニヤしている。 「じゃあ、行くよ~。 お兄ちゃんは、今まで、何年生きて来たのでしょうか?」 「何年って、2 […]
【そりゃー、嬉しいに決まってんだろっ!】 僕が小学生、コトハが幼稚園生の時、コトハが幼稚園でヒマワリの種をもらって来た。 「お兄ちゃん、タネまいて!」と幼稚園児のコトハに頼まれた僕は、庭の適当な場所にヒマワリの種を蒔いた。 あれから、もう10年。 何の手入れもしていないが、毎年、夏になるとヒマワリの花が咲き乱れる。 コトハは、静かに話を続けた。 「ヒマワリは、秋になると枯れて死んでし […]
【人は永遠に生き続ける。】 頭の中が真っ白になった僕は、コトハが目の前にいることを忘れ、なにやら一人で考えごとを始めた。 そう言われれば、今まで、「幸せになろう」なんて考えたことがなかったかもしれない…。 幸せを求めること自体、 はかない夢…、 手に入れられないもの…、 不可能なもの…、 そう思っていたのかもしれない…。 とりあえず、今、それなりにお金を稼いで…、 それ […]
【 一緒に幸せにならない? 】 「だから、お兄ちゃんは、幸せを感じられないの!」と話すコトハの声は、自信に満ちていた。 その時は、なぜか、コトハが10歳くらい年上の女性に見えた。 が、少し時間が経ち、われに帰ると、僕はコトハに怒りを覚えるようになった。 「コトちゃん!何、言ってんだよ! コトちゃんは、今まで散々、お父さんやお母さ […]