バソプレシンとオキシトシン
私たちの体には「バソプレシン」や「オキシトシン」という不思議なホルモンが流れています。
これらは脳の中で分泌され、人との絆や安心感、守りたいという気持ちを生み出してくれます。
実は、こうした働きは男女で少しずつ違うようなのです。
オキシトシンは「愛情ホルモン」とも呼ばれます。
母と子のスキンシップや、家族・友人との信頼関係を深めるときに分泌され、心をやわらかくしてくれます。
女性はホルモンの性質上、オキシトシンが活発に働きやすいといわれ、共感や親しみの中に幸福感を感じやすいようです。
一方のバソプレシンは、男性に多いとされる「守る」「一途でいる」「絆を守ろうとする」行動にかかわるホルモンです。
動物の研究では、バソプレシンが多いオスほど、パートナーを大切にし、巣や子どもを守る姿が見られました。
人間の男性でも、同じような傾向があるかもしれない、という研究があります。
こうしてみると、男女で「しあわせ」を感じやすいポイントに少し違いがあるように見えます。
でも、どちらが良い悪いではなく、みんな違って、みんないい。
それぞれの持つ性質に感謝し合うことで、関係はぐっと楽になります。
スキンシップ、ありがとうの言葉、誰かを思いやる行動──これらは男女問わずオキシトシンを増やし、心をやさしくします。
相手の立場を尊重し、あたたかい交流を大切にすると、自然とバソプレシンやオキシトシンが働いてくれて、心身が軽くなっていきます。
つまり、幸せは「外から与えられるもの」ではなく、「毎日の小さな思いやり」から生まれているのかもしれません。