愛し合っているのに
夫婦関係が悪くなり、「2人ではどうすることもできない」というご相談が続きました。
ご夫婦のご相談をお聞きして、よく感じることは、
人間は、「愛し合っているのに、そのことに気づかなくなってしまうものなのだなあ」ということです。
もう少し、別の表現で書きますと、
「潜在意識では愛し合っている」にも関(かか)わらず、
「顕在意識では愛し合っていることを忘れている」という感じです。
そして、そうなってしまう原因が、
夫婦関係を良くしようとしてしまうからのように感じております。
夫婦関係は、良くしようとすると失敗する
なんだか、変な表現かもしれないのですが、
夫婦関係というのは、良くしようとすると失敗してしまうみたいです。
つまり、夫婦関係を良くしようとする発想自体が、夫婦関係をこじらせてしまうようです。
なぜなら、夫婦関係は、良くしようとする「昼の愛」を分かち合う場でなく、
ただ、愛情を確認し合う「夜の愛」を分かち合う場だからだと感じております。
夜の愛、昼の愛
愛を大きく2つに分けるとすると、昼(ひる)の愛と、夜(よる)の愛とがあります。
昼の愛とは、成長、発展、改善など、より良くしようとする愛です。
夜の愛は、静止、立ち止まる、平和、急速、癒やしなどの愛です。
昼の愛は、見返りを歓迎する。
例えば、昼の愛は、結果や見返りや評価を歓迎し、それを求めようとします。
自分がやったことに対するフィードバックがあることで、喜びや刺激が得られます。
そして、さらに成長し発展しようとする原動力になります。
もっと良いものを作ろう、もっと喜んでもらおうと努力し、切磋琢磨します。
時には、厳しい指摘を受けますが、それを悔しさというバネにして、
失敗を成功に変えていくのが、昼の愛の力です。
そして、結果的に、自分の個性や才能に磨きをかけ、他の人にはできないことができるようになったりすることで、
安全・安心・便利・感動・快適などの付加価値を提供できるようになります。
すると、クライアントに喜んでいただけるので、満足や自信自己肯定へとつながります。
例えば、お皿洗いのお仕事をしているとします。
そして、短時間で、上手にお皿洗いできるようになると、店長さんにもお客様にも喜んでいただけます。
さらに、その努力が認められたらお給料が上がったりしますので、
より一層、仕事にやりがいや楽しさを見いだすことができるようになります。
休んでるなら、手伝ってよ!
しかし、そんな昼の愛を夫婦関係に持ち込んでしまうと、悲劇が起こってしまいます。
よくやってしまいがちなのが、「休んでるなら、手伝ってよ!」と思ったり、言ったりというパターンです。
特に、共働きしながら、子育てしている忙しいご夫婦だと、そのようになってしまいがちです。
共働きしながらの子育ては、本当に大変です。
朝早く出勤して、夜遅くまで残業。
それから、子育てして、料理もして、皿洗いもして、洗濯もして、というのは、本当に過酷です。
ゆっくり休む暇のない、奴隷のような生活です。
自分は、休みたくても休まずに頑張っているのにという気持ちに襲われるのは当然です。
すると、どうしても、自分のほうが頑張ってる。
自分のほうが苦労している。
それを認めてもらいたくて、もっと頑張る。
しかし、どんなに頑張っている後ろ姿を見せても、パートナーがそのことに気づいてくれないと、
どうせ、言ったって無理。
どうせ、分かってくれないし…。
もう、しゃべりたくもない。
触れたくもない。触りたくもない。
触ってこられたら、拒否してしまう。
というパターンはとても多いです。
夫婦愛の醍醐味
夫婦の愛は、夜の愛の関係です。
相手を楽にさせることが、自分を楽にさせることです。
相手を許すことが、自分を許すことになります。
夜の愛の関係を結ぶことで、あなたは、「ねばならない」「こうあるべき」などの、
あなたを束縛し不自由にさせて、あなたを疲れさせている「不幸の観念」から抜け出せるようになります。
それが、夫婦愛の醍醐味の1つだと思います。